ロードスターで高速道路を走ると、エンジン音がうるさくて気になる。
ギヤ比が低く回転数が高いためだ。
100km/hで5速3200rpmくらい。
この回転数を下げたい。
私のロードスターはNA6CEの5MTに、NA8C Sr2のファイナル4.3が組んである。
組んだ当時は1.6Lエンジンだったのでこれで良かった。
だが今や1977ccエンジンとなって十分な低速トルクがあり、ギヤ比を高くしても余裕の走りができるはず。
まず、検討してみる。
歴代ロードスターのミッションとファイナルの中で一番ギヤ比を高くできるのはどの組み合わせか。
組み合わせ | ミッションギヤ比 | ファイナルギヤ比 | 100km/hエンジン回転数 |
5MT+NA8Sr2デフ | 0.814 | 4.300 | 3203rpm |
6MT+NB8デフ | 0.843 | 3.909 | 3015rpm |
5MT+NB8デフ | 0.814 | 3.909 | 2911rpm |
つまり、5MTに3.909のファイナルの組み合わせがギヤ比が最も高くなる。
6MT化という選択肢もあるのだが、NBの6MTはあまり好きじゃない。
1速が低すぎて使い物にならない。
6速というよりむしろ、「5速+エクストラロー」 というようだ。
なのでミッションは5速のままで、ファイナルを3.909に変更することにした。
まず、デフをヤフオクで購入。
NB8のトルセンLSD。
非力なロードスターには3.909のファイナルが人気が無いため、格安で買える。
ヤフオクで購入した物は信用してはならない。
開けて確認する。
なんと!ケーシングに液体ガスケットが塗られてないことが判明!!
出品者は一度バラしたあと何もせず組み付けたようだ。
確認して良かったよ。
物は間違いなく、3.909のトルセンLSDだった。
取り付け作業にかかる。
まずデフからドライブシャフトを抜く。
アッパーアームを外して、ハウジングを引けば抜ける。
力が入り辛いのであれば、タイヤを付けて引けば抜ける。
ここで問題発生。
左のドライブシャフトを抜こうとして、上記の方法を試みたところ、ドライブシャフトの関節部から「ズルッ」と抜けてしまった。
ありえない。
抜けたドライブシャフトは廃棄することにした。
ヤフオクにてNBのドライブシャフトを注文する。
続いて、デフとプロペラシャフトの分離。
12mmのボルト4本で固定されてる。
ミッションを1速に入れれば緩められる。
デフが降りた。
ここで2つ目の問題発生。
ドライブシャフトを交換するためハウジングから外そうとしたのだが、右側のハブセンターナットがどうしても緩まない。
ナットの頭は29mm。
1/2インチのスピンナハンドルに80cmの鉄管を足して体重を掛けたが、ビクともしない。
それどころかスピンナハンドルが曲がってしまった。
エアーインパクトレンチの58.8kg/mも試してみたが、全く緩まず。
ちなみに左側のナットは30kg/mほどで簡単に緩んだ。
手持ちの工具ではどうしようもない。
てことで強力な工具を買ってきた。
KTC 3/4インチLハンドルレンチ。
はぁ〜。こんなただの鉄の棒に4250円も払わなくてはならないとは。
3/4インチ工具は一生使うことが無いと思ってたんだがなあ。
まずLハンドルに鉄パイプ1.5mを継ぎ足して、体重を掛けたが緩まず。。。
勢いをつけて飛び跳ねると、
「カキッ、ググッ〜」
回った〜
推定トルクはなんと120kgmだった!!
整備書では22〜30kgmと書いてあるので、4倍もの力で締まっていたことになる。
最後に整備したのは私だけど、こんなに強く締めた覚えは無い。
走行中に締まっていったのだろうか?
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あとは外した逆の手順で新品のドライブシャフトを組み付けていく。
が、問題3つ目発生。
ハブセンターナットのサイズが合わない。
購入したドライブシャフトはNB用。
スプラインとシャフトの径は同じだが、ハブセンターナットだけ大きくなっていた。
(写真右)NAナット: M20 頭29mm
(写真左)NBナット: M22 頭32mm
恐らく、この一連の締まり過ぎの対策ではないだろうか。
用意していた新品のハブナットが無駄になってしまった。
続いて、ファイナルを変更したので車速センサーを交換する。
ファイナル3.909用のNA純正は存在しない。NAは機械式、NBは電気式のセンサーなのだ。
ドリブンギヤのみ組み替えをしなくてはならない。
マルハモータースにて機械式3.909のASSY品が販売している。
割と安いので、こいつを購入
車速センサはミッションの後右側に付いている。
交換はとても簡単。15分くらいで終わる。
今まで付いていた4.300用の車速センサ。
何だか違和感が、、、
確認すると。
ケーブルと連結する溝が斜めに磨り減ってる!
これではケーブルと遊びができてしまう。
スピードメーターがプルプル揺れるのはこいつのせいだったのか。
これで作業完了。
結局、ドラシャが折れたり、工具が無かったりで1ヶ月ほどかかってしまった。
試走してみる。
↓ファイナル4.300のとき。100km/hで3200rpom
↓ファイナル3.909に変更後。100km/hで2900rpom
良いね〜。
求めていたのはこれだよ。
高速道路で回さなくても大トルクでモリモリ進む。
発進は微妙に辛くなったような、いやそうでもないような感じ。
まあスピンターンとか普通にできるし、気にするほどでは無い。
ファイナル3.7くらいがあって、6MTと組み合わせられたら最高なんだがな。
ところで、今回の作業でもっとも恩恵を感じられたことは
回転数が下がったことよりも、スピードメーターのプルプルが直ったことだ。
24万キロ走った車が、まるで新車になったかのよう。
これは高評価。
長走行車の車速センサーの交換はぜひお勧めしたい。
次のネタで早く5基目のエンジンを組まないとだな・・・