ビート バルブクリアランス調整
うるさい。
純正マフラーで排気音は静か。
なのに室内がとにかくうるさい。
疑う余地も無くタペット音だ。
バルブクリアランスが広くてガチガチ鳴っている。
この車はメーター戻し疑惑がある。
メーター表示は7万キロだけど、実際は17万キロだろう。
多走行でバルブクリアランスが広がっていると思われる。
ホンダ車はロッカーアーム方式のため、バルブクリアランス調整が工具のみでできる。
トミーはロッカーアームを触るのは初めてなので興味がある。まずやってみよう。
幌を開ける。
エンジンフードからアクセスできる、
かと思ったが無理だ。狭くて作業できない。
どうしたものか・・・
正解は、幌の後ろ側を外す。
幌を外側から締結している11本のボルトを外してペロッとめくる。骨はそのまま。
カムカバーを外すとカムが見える。
これでクリアランス調整作業が可能だ。
マップセンサーブラケットを外して、カム角センサーのコネクタを抜くと少し作業スペースが広がり楽になる。
さて、クリアランス調整を試みよう。
調整に必要な工具はメガネレンチ10mmとマイナスドライバーショートのみ。
しかし問題が。
INバルブは見える。しかしEXバルブはバルクヘッドに向かって横向きにあるため、全く見えず調整加減が分からない。
シックネスゲージは手探りで何とか入る。
ホンダさんこれは設計ミスですよ。
あるべきところにメンテナンスホールが無い。
少し悩んだ末にEX側を調整する方法を考え出した。
アジャストボルトがM6の細目だから、ネジピッチが0.75mm。
1/6回転でクリアランスが0.12mm変わる。
1/12回転だと0.06mmだ。
マイナスドライバーに1/6毎の目盛を書いておけば回転量で調整できる。
結果
<調整前>
IN1 | 0.21 |
IN2 | 0.26 |
IN3 | 0.28 |
IN4 | 0.27 |
IN5 | 0.30 |
IN6 | 0.26 |
EX1 | 0.30 |
EX2 | 0.30 |
EX3 | 0.28 |
EX4 | 0.28 |
EX5 | 0.30 |
EX6 | 0.29 |
これは酷い。
メーカー基準値はIN0.13〜0.17 EX0.23〜0.27
なのでガバガバなことが分かるだろう。
<調整後>
IN1 | 0.14 |
IN2 | 0.14 |
IN3 | 0.13 |
IN4 | 0.13 |
IN5 | 0.13 |
IN6 | 0.14 |
EX1 | 0.22 |
EX2 | 0.23 |
EX3 | 0.22 |
EX4 | 0.23 |
EX5 | 0.22 |
EX6 | 0.23 |
何箇所かメーカー規定値より狭いところがある。
これはトミーの経験からメーカー規定値の最小値±0.1mmとしたため。
悩みながらINとEXの全部を調整して、復旧するまでに3時間。手際が悪く時間掛かった。次は1時間で終わるだろう。
これで最高速を測ると175km/hになった。
調整前は170km/hだった。つまり、
調整前は66馬力
純正64馬力+ファンネル55mm(+3馬力)+12孔インジェクター(+3馬力)+バルブクリアランス不良(-4馬力)=66馬力
だったのが
調整後は70馬力
純正64馬力+ファンネル55mm(+3馬力)+12孔インジェクター(+3馬力)=70馬力
になったわけだ。
でも、体感加速は少しも変わった感が無く凄く遅いんだよなあ。