ボクスター LSD組み付け その1

 

 

驚いたことに、ボクスターはオープンデフだ。

オプション設定も無い。

後輪駆動なのにあんまりだ。

理由はカレラよりもコーナーリング性能が良くなってしまうので、あえてオープンデフのみにしてるとか。

安価なモデルでフラッグシップを超えたら売り上げにひびくもんなあ。

 

だが実際のところ、そんなにLSDの必要性は感じていなかった。

充分曲がるし。

 

と思っていたが、雨の日に屋上駐車場への上り坂で後輪がスリップてしまった。

かなり急勾配だったが、状況によってはマズイんじゃないのか?

そういえば前オーナーは 「雪道はスタッドレス履いても全く走れない」 などと言ってた。

本来、MRやRRはトラクションがかかり、上り坂には強いはず。

これでは、普通に山で立ち往生してしまう。

 

NAロードスターのビスカスLSDでさえも雪山登れたもんな。

 

なので安全上の観点からLSDを付けることにした。

 

だが、ボクスターには純正設定が無いので他グレードからの流用になる。

パーツカタログで調べると、ミッションの中身は996と同じ。

なので996のLSDが移植できる。

 

ここで問題が。

ネットで調べたところ、ボクスターにLSDを入れてる人はいる。

だがショップに頼むと工賃100万円ほど掛かるようだ。

996の中古ミッションはなかなか出てこないし、これも高い。

 

この車にそんなにお金を掛けたくない。

 

 

 

という訳で探しまくってようやく見つけた。

Quaife というイギリスのメーカーがアフターパーツのLSDを出してる。

老舗らしくて、多くの外車向けにLSDを製作販売している。

 

986ボクスターに合う型を探す。

型式 QDF6Q

機構 ヘリカル式

商品代 790ポンド

 

まさかアフターパーツでヘリカル式があるとは思わなかった。

ヘリカル式ならノーメンテだし、音も鳴らないし、ポルシェにはピッタリだ。

イギリスから輸入。注文して2週間ほどで届いた。

輸送費 100ポンド

 

 

 

作業の前にポルシェの特殊工具を揃える。

左から

ミッションオイルドレンボルト用 12P

ミッションオイル補給ボルト用 ヘックス 17mm

ミッションサービスホール用 トルクス T-45

 

これを揃えるのに一日掛かった・・・

特にドレンボルト工具がなかなか見つからず。

ポルシェディーラーで買うと8000円もする。アストロだと1800円。

小山市のアストロプロダクツでなんとか発見できた。

 

 

 

 

作業開始。

ミッションオイルを抜く。

さっそく特殊工具が活躍。

 

ミッションオイル容量は3リッターくらい。

 

ドライブシャフトとデフを切り離す。

ヘックスの6mmだか8mm。で6箇所。

かなり固いので安物工具だと舐める恐れがある。

PBのヘックスレンチがお勧め。高いけど。

 

 

左右とも外し終わった。

 

 

デフフランジを抜く。

当て板をしてボルトを締め込んで抜く。

当て板はスパナで代用した。

ボルトは頭を潰しても良いものを使う。

潰れ過ぎると抜けなくなってしまう。8T以上の固いボルトにすること。

 

左右のデフフランジを抜いた。

 

ミッションのメンテナンスカバーを外す。

 

トルクス工具で外していくが、猛烈に固い。

案の定、一箇所舐めてしまった。

トルクスで舐めてしまったボルトは、通常は外せない。

だがKNIPEXのコブラがあれば、ボルトの頭を掴んで回せるので心配無用だ。

 

オープンデフとご対面。

 

横にずらすと、ゴロンと抜ける。

国産車よりずっと簡単だよ。

 

 

軸に位置決め?の樹脂部品が付いている。

先端の細いドライバーで外す。

 

 

左がヘリカルLSD、右がオープンデフ

ベアリングの取り付けとリングギアの移植に続く。

 

 

その2へ続く