2014年7月のネタ。1年越しの公開。
スクラブ半径を変更した。
まず解説。
スクラブ半径はどの車も大体ゼロを狙う。
というのはゼロに設定するとギャップに乗り上げたときハンドルが取られにくく安定して走れるからだ。
一部、昔のVWなどはパンクしたときにまっすぐ走れるようマイナスに設定したらしい、その代わりパンクしていない状態ではちゃんと走れなかったようだが。。。
まず純正の状態。
キングピン中心からトップマウント中心の延長線がタイヤ中心と設置面で交わる。
これがスクラブ半径ゼロ。
悪路でも手放し運転して真っ直ぐ走れるのはこれのおかげ。
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次によくある、ホイールオフセットを変更してツライチにした場合の説明。
タイヤ中心が外にずれるため、スクラブ半径が大きくなる。
この状態では段差に乗り上げるとハンドルが取られて安定しない。
また、普通の路面でもハンドルが重くなってしまう。
見た目を良くするためにツライチにすることで、車の性能は下がってしまう。
結論として、フロントのホイールオフセットは変更してはいけない。
ただしリヤについては関係ないのでいくらでも好きなだけ変更して良い。
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しかし、旋回性能を上げるためにはフロントもオフセットを外に出して、トレッドを広げたい。
そのためにスクラブ半径をゼロにする調整をする。
まずハブハウジングの締結角度変更をする。
「SUZUKI純正 キャンバーアジャストボルト 型番49791-65H00」を使うのだ。
ボルトの首下が細くなっていて遊びの分だけキャンバー調整できるボルトだ。
細くなるといっても、ネジの谷よりは太いので強度の低下は心配ない。
このボルトの強度は9Tだ。ヴィヴィオ純正の10Tから少し下がるが問題ないだろう。
2014年度の耐久レースでの実績あり。Sタイヤを履いての10時間耐久レースだ。
某キャンバー調整式ボルトなどは12Tを謳っているがボルト径が細いのでボルト1本あたりの剪断強度は純正の9割程度に落ちている。それと同等。しかし遥かに安い、\500程度。
これでポジ側キャンバーにするとスクラブ中心がタイヤ外側になる。
ポジキャンでは旋回性能が落ちてしまうので、キャンバーをつけるために
トップマウントのショック締結位置を変更する。
これでキャンバーを-0.3度あたりに調整する。
キャンバーを付け過ぎると直進時の接地面積が不足して、加速減速で空転しやすくなってしまう。
タイヤの横剛性によって変わるのだが、今回は弱ネガに合わせる。
これでスクラブ半径がゼロになり、オフセットを外に出してもハンドルが取られなく安定して走るようになった。
この方法は、マクファーソンストラット式サスペンションのみに採用できる方法だ。
割と簡単にできてすぐ効果が出るのでお勧め。